京都日誌(466)
堀田さんや、会の主催者、斎藤日出治さんと、少し議論する。
近代を制度面から定義するとしたら、計算可能性や合理性の普遍化ということができるという指摘を堀田さんよりいただく。
斎藤さんからは、究極の目的が喪失し、来世で救済される意識が薄らぐことで、つまり、永遠の意識が消えていくことで、現世内を充実させる方向へと、時間意識が変化しているというお話があった。
それは『加速する社会――近代における時間構造の変容』で、ドイツの社会学者ハルトムート・ローザが展開している論点であると。
私の方からは、宗教社会学者のトーマス・ルックマンが、1960年代に、『見えない宗教』論を展開したが、現在では、制度的な宗教──たとえば、福音派と政治運動のシオニズムの関係──も見えない宗教──たとえば、その極端な形態としてのカルトとして──も、同じように社会的な力として、猛威を振るっているという点を述べさせていただいた。
また、ヴェーバー以降の近代社会、特に、プロテスタンティズムの社会において、資本主義の精神の根拠である、救済概念の崩壊や究極の目的の喪失があっても、労働の存在論的な構造である目的定立は消滅しないので、人間に衣食住の生活過程が存在する以上、資本蓄積運動──言い換えれば、物象化プロセスと搾取プロセス──は、社会システムが資本主義から根本的に変わらない限り、続くのではないかと感じた。
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NAZAについては、きょうは、時間的余裕がないので、詳しく展開できないが、以下の論点があると思った。
1.これは、イスラエル国内から起きた、大規模で世界的な影響力のある反乱であり、それは、今、始まったばかりであること。
反逆罪に問われた事例として、ディモナの核施設で働いた技術者として、イスラエルの核兵器計画に関する秘密を英国の日曜紙『サンデー・タイムズ』(1986年10月5日)に暴露したモルデハイ・ヴァヌヌの例もあるが、今回は、映画というfar reachingメディアを使用している点が注目される。
2.この上映をネタニヤフ首相がひどく恐れているのは、11月に『ガーディアン』のサイトで、世界中で無料視聴されることで、反イスラエルの機運が、市民レベルで、ふたたび世界的に高まるであろうこと。
3.したがって、イスラエル・ロビーの世界的なネットワークを総動員して、全力で妨害するだろうこと。
4.映画は、イスラエル軍・情報機関の関係者24人の証言を用いていること。つまり、ここを突破口にして、ほかの内部告発者が現れるだろうこと。
すでにイスラエルには、2004年にイスラエルの元兵士達が設立した証言団体「ブレイキング・ザ・サイレンス」が存在し、占領地での軍務について兵士達の証言を集め、証言集や映像などで公表している。こうした活動が、世界的にフォーカスされ、加速化するだろうこと。
5.イスラエル軍・情報機関の関係者24人の特定とユヴァル・アブラハムとレイチェル・ソールの両監督の厳罰化の動きがどうなるかという点。
6.NAZAの扱った事件の端緒の、2023年の10月7日のハマスのアル・アクサの洪水作戦に対する反撃作戦のとき、イスラエル国防軍は、自国の人質や自国兵士を殺害してもいい、ハンニバル指令を発出していた。この点を2023年10月7日当時のヨアヴ・ガラント国防相が認めている。
このハンニバル指令が再び国内的にフォーカスされる可能性があること。
7.これに関連して、『ハアレツ』の2026年9月8日の暴露記事がフォーカスされるだろうこと。ネタニヤフ首相とガザ地区指導者のハマスのヤヒヤ・シンワル氏の間で、アル・アクサ洪水作戦の前から事前協議が続いており、それは上手くいっていたものの、最終的に、閣内極右に押されて煮え切らない態度に終始したネタニヤフ首相に、業を煮やしたハマス側が、事前警告した上で、ハマスは襲撃していたことを暴露している。
そればかりか、2023年10月7日の約10日前、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド大統領経由でも、ネタニヤフ首相に直接電話をして警告していたが、ネタニヤフ首相は、ヨルダン川西岸で起きると思って対処しなかったことなど、一連の失政が、ハンニバル指令と相まって、10月27日の総選挙のときのさらなる批判票になるだろうこと。
8. このNAZAは、10月27日のイスラエルの国内総選挙にどのような影響を与えるかという点。つまり、国外的には、相当な批判があるが、国内的には、社会操作がかなりきつく、どの程度の影響力を持つか未知数であること。たとえ影響があっても、ネタニヤフ政権の後継政権の性格に大きな変化はないだろうこと。