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社会操作論の一般理論に向けて(第5回)『おきな草』第60号

社会操作の一般理論に向けて(第5回) Toward a General Theory of Social Manipulation 尾内達也 In all affairs it’s a healthy thing now and then to hang a question mark on the things you have long taken for granted. あらゆる事柄において、長きにわたって自明と思われてきた事柄に、折に触れて、疑問符をつけることは健全なことである。 バートランド・ラッセル 8. 構造操作(structural manipulation) 8.1 構造操作(structural manipulation)の定義と分析方針   本連載の第3回において、構造操作に具体的に言及した。本稿では、改めて、この構造操作とは何かを考え、その定義を提示し、今後の分析方針を立ててみたい。  構造操作とは、何らかの社会的構造体を作り上げることで、人々を、特定の同一ベクトルを持った行動に駆り立てることを意味する。  この場合、この行動は、民主主義にとって良くない、と言う含意がある。  ここで、私が、構造操作として考えている具体的な事例は、たとえば、天皇制や靖国神社、日米安保条約であり、マーケットであり、米国のドル本位制であり──いぶかしく思う人もいると思うが、代議制民主主義制度、端的に言えば、多数決による意思決定システムであり、現在も不可視的に国内外で持続している植民地体制である。  ヤーコプ・フォン・ユクスキュル (※注1)は、 動物の本能 というミステリアスで万能の概念の代わりに、 自然の設計(Naturplan) という考え方を導入している。自然にあらかじめ書き込まれた設計図に、動物は従い、ここに逸脱や拒否はないという考え方である。  ユクスキュルは、こう述べている。すこし長いが、重要なので以下に引用する。  「主体の目的と自然の設計とを対比してみると、だれも正しい扱いができずにいる本能の問題を切り抜けることができる。  ドングリはカシワの木になるのに本能を必要としているだろうか。一群の骨形成細胞は、骨を作るために本能的に働いているだろうか。  もしそんなことはないと否定して、本能の代わりに自然の設計というも...

若宮日誌(446)

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  ■8月27日、木曜日、曇り。午後、激しい雨。 秋雨前線の北側に位置する関東は、 北東寄りの空気が入り、雲・雨で日射も抑えられたため、夕方から夜にかけて、気温がかなり下がった。 きょうは、朝から仕事。 就寝中のクーラーによる冷えで、めずらしく、夏風邪をひく。 夜、松本大洋の『ZERO』を読む。 昔、一度読んだ記憶があるが、2度目も楽しく読めた。 この人の絵は、様式性が強く、味がある。どこか、切り絵のような雰囲気もある。 ただ、個人的に不満なのは、リアリティに乏しい点。 そういうコミックとして読めばいいのだが… 『ちいかわ』 というのが、人気らしい。 あえて、説明はしない。 というか、シュールすぎて説明できない。 映画 も公開されている。 このアニメには、社会風刺もあるという向きもある。 ★ 8月6日付の 『ニューヨーク・タイムズ』 が、人工知能を使って新しい種類のウイルスを作り出すことに、科学者たちが初めて成功した、と報じている。 「8月6日に科学誌 『Science』 に掲載された新たな研究は、ウイルス遺伝子を複製するという段階をはるかに超えている。 スタンフォード大学と、カリフォルニア州パロアルトにある研究機関アーク研究所の科学者たちは、自然界に存在するDNA構造のパターンを認識し、そのデータを使ってまったく新しいウイルスの『レシピ』を書くよう、AIを訓練した。 研究者たちは、そのレシピに従ってDNA分子を作製し、それを細菌の中に挿入した。すると、改変された細菌は、自然界ではこれまで見つかったことのないウイルスを作り出した。それらのウイルスは別の細菌に感染することができ、それによって生存可能であることが実証されれた」。 「この新たな研究は、人工知能によって、致死性の毒物から阻止不能なパンデミックに至るまで、新世代の生物兵器を作り出せるようになるのではないかという、強まりつつある懸念に拍車をかけている。 今回の研究には参加していないジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターの研究員、モーリッツ・ハンケ博士は、科学が急速に先へ進む一方で、致死性ウイルスの作製を阻止できるような安全策を整備することについて、政府や科学機関の対応は遅れていると述べた。 『そこには、とてつもなく大きな隔たりがあります』と彼は述べた」。 今後、パンデミックが起きた場合、AIを使って...

一日一句(5908)

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  とりどりの薬を拡げ夜の秋

若宮日誌(445)

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  ■8月26日、水曜日、朝曇り、のち晴れ間。 午前中、上日出谷のN歯科医院へ。府立医大への紹介状をもらってくる。 午後、さいたま新都心へ。妻に頼まれた買い物と、ヨドバシカメラでマウスとキーボードを新調する。ポイントで安く入手。 帰宅後、京都へ送る本の箱詰めと手配。 きのうの墓参は、39℃のほぼ酷暑予想が出ており、実家へ行くだけとした。 ルカーチの原稿、第26回終了。 今回は、マルクスと同様に、人間中心主義的なところがある(裏を返せば、マルクスもルカーチも、自然的存在の議論が弱い)ルカーチの社会基礎理論を、ユクスキュルで補正する議論を行った。 『老化と記憶について』の校了。 老化や記憶、痛みに関するテーマは、今後も追求する予定。 夜は、隣の北本市で、今から5000年前から3500年前まで、1500年続いた縄文集落 「デーノタメ遺跡」 について、教育委員会が編纂した本を読む。 たいへん、興味深い。ルカーチの労働論との関連で、道具の個所をまず読む。 縄文土器は重く毀れやすい。 深鉢形の土器の機能は、モノを煮炊きすることだが、この大きくて重い、しかも毀れやすい土器は、頻繁な移動生活には向かない。 縄文人の定住化と、この土器の性状が関連している。 逆に、定住化が進み、こうした大きな土器を制作する条件が整ったとも言える。 要するに、生活の様式と土器の性状には、相互関係がある。 私が興味深いと感じたのは、この土器の毀れやすい点である。 つまり、取り扱いに注意が必要となる。 それは、縄文人の繊細さとその文化レベルの高さを表している。 乱暴な文化であれば、こうした土器は使用できない。 縄文人たちは、かなり繊細なところのある人たちだった、という印象を持った。 縄文集落「デーノタメ遺跡」は、一度行ってみたい。

一日一句(5907)

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  夏草は千年のちのひかりかな

一日一句(5906)

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  墓ひとつ仕舞ふ話や秋の風