往還日誌(316)
■7月20日、日曜日、晴れ。第27回参議院選挙投開票日。
きのうは、娘の一月遅れの誕生日で、大宮の焼き肉店へ。久しぶりに梅酒をいただく。
きょうは、M社に企画書を書いて送る。
事情で、上洛の日程が延びたので、夕方から、買い物に行き、家族に夕食を作る。
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オンデマンドで、『光る君へ』全48話を視聴した。
かなり面白いドラマだった。いろいろ、考えさせられる。
最後は、紫式部は都を去って東国へ向かう旅に出る。
そして、武士の台頭が示されてドラマは終わる。
それは、現代における戦争の時代の予感と響き合っている。
役者としては、ドラマ序盤で、道長の兄の道兼を演じた玉置玲央の狂気の入った演技が、印象的だった。
道長を呪う藤原伊周を演じた三浦翔平も良かった。
人物としては、党派的な発想をせず、問題の本質を常に考える藤原実資、伊周の弟で大宰権帥として、刀伊の入寇を撃退し、このとき、武功をあげた武将、平為賢を、貴族ではないにも関わらず、肥後守に推挙した藤原隆家の二人に興味を持った。
安倍晴明も重要な役割を演じるが、このドラマでは、陰謀と悪に通じる人物として描かれ、それはそれで、興味深い。ただ、ご都合主義的に、呪術が使われすぎているきらいはある。
道長の時代を描いた『大鏡』という歴史書の文体と洞察に関心をもった。
三島由紀夫は、「わが古典」の中で大鏡をこう評している。
「線の太い文体で、引き締まっていて、何度読んでも含蓄がある」。
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参議院選挙の最終投票率は、『共同通信』の20日午後9時現在の推定で、57・50%となった。
前回2022年参院選の52・05%を5ポイント程度上回る可能性がある。
選挙は、理性ではなく感情だということを、今回もよく示したと思う。
それは、自民党への怒りの感情と、参政党への共感の感情が、2つの基本トーンとなって、選挙運動を席巻したように見えた。
ほかの野党は、この2つのトーンの間に埋没してしまったように思えた。
しかし、参政党と自民党の体質は、同じである。
特に、旧安倍派・高市系の議員とは親和性が高い。
違いは、有権者の「参加意識の幻想」を参政党がSNSと演説で作り出したことだろう。
なにか、これまでとは違う「我々の創る政治が始まる」といった幻想を感じさせたのである。
この「参加意識」は、実は、外部に「外国人」という幻の敵を作り出すことで、この参加意識を参政党へ統合していくという高等戦術が使われている。
これは、神谷宗幣というひとの演説の上手さにひとえに依存している。
彼には、演説の才能があるのは確かと思う。
しかし、人間は嘘をつく存在である。
行動を見ないと騙される。
それでも、ひとが見ていれば、かっこつける。
だから、神谷氏の「安んじた世界」を見ないと騙される。
選挙では、声高に、「反グローバリズム」を唱えるが、地方議会では、グローバリストの自民党とも、さらなるグローバリストの維新とも、会派を組む。
しかも、神谷氏は、「ヤマト・ユダヤ友好協会」の元理事であり、その発言からは、ジェンタイル・シオニストであることがわかる。
要するに、Usraeliの操作対象の、必要十分な条件をすでにもっているのである。
参政党は、第二自民どころか、第一自民であり、国会でも自民党と会派を組み、与党入りをめざすのは時間の問題だろう。
参政党は、比例+選挙区で、11議席を獲得している(21日25時時点)。参政党が与党と連立を組めば、参議院で与党が過半数の125議席を優に確保できる計算となる。
参政党が、続投を表明している石破政権の延命のキャスティングボードを握ったのは間違いないだろう。
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「チームみらい」の安野たかひろ党首が、1議席を確保したのは注目したい。
エネルギー源としての核融合炉実現までに、原発再稼働を掲げている点は、あやういが、彼の言っているAIの社会の各領域の実装は、人口が急激に減っている現在、今後の方向性として、避けられないだろう。
AI統制の仕方も含めて、今後、注目したい。