往還日誌(354)

 







■11月24日、月曜日、曇り

京都へ戻ると、かなり冷え込んでいた。

日曜日は、午前中のルソー読書会を休んで、ルカーチの翻訳に専念。

今回の京都滞在は、いろいろやることがあり、多忙なので締め切りを伸ばしてもらった。

新幹線は、ユクスキュルを読む。

睡眠不足で、熱海あたりで完全に寝落ちした。

土曜日は、近場でも緊急でもないのに、深夜に長いサイレンが二度鳴り、どこそこが火事ですという、避難行動にとって、全く意味のない市の放送が行われた。

妻は、幸いにもすぐに寝られたが、娘は眠れなくった。

私も短時間睡眠で調子が悪かった。

市長に直接、メールして、意見する。

こういう、とんちんかんな、自己満足の防災は、暴力行為そのものだからである。

きょうは、午前中、24時間営業しているジムの見学と入会手続き。

あすから、始める。

終日、仕事。


T-N-S Theoryを深めていくため、他の種の時空構造を意識して見ているだが、鳩の環世界を理解する手がかりになる研究が、『サイエンス』の11月20号に発表されている。

これは、ハトの脳全体を対象に、磁場が引き起こす鳩の神経活動を網羅的に調べる研究で、

論文のアブストラクトによれば、「動物がどのようにして地球の磁場を検知しているのかは、感覚生物学における大きな謎のままである。膨大な行動学的証拠があるにもかかわらず、磁気感知を担う神経回路や分子メカニズムはいまだ明らかではない。

本研究では、先入観のないアプローチとして、全脳活動マッピング、組織透明化、ライトシート顕微鏡法を用い、ハト(Columba livia)において磁気刺激によって活性化される神経集団を同定した」となっている。

哺乳類の三半規管は、空間認識の三次元性を産出する最重要器官だが、鳩はここで、電磁場も検出している。

電磁場が鳩にどのように感覚されているのか、不明だが、我々人類にはない電磁場に対する感覚様式が存在する。

鳩の他にも、古代の軟骨魚類――サメ、エイ、ガンギエイなど――は、弱い電場を検出して中枢神経系へ情報を伝える特殊な電気受容器官を持つことが知られている。サメはこの感覚様式を捕食のために利用し、ガンギエイは同種間の信号の検知にも用いている可能性がある。

つまり、サメ、エイ、ガンギエイ、鳩などは、人間の環世界にはない感覚様式である電磁場の検出器を、その環機能として備えているのである。

人間の環世界も、<視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚>の5つ感覚器官からの感覚情報で成立しているとばかり思っていたが、2024年3月29日付『BBC Science Focus』よると、もっと、複雑で精妙であることがわかってきたという。

上記の5感は、「外受容性感覚」と呼ばれ、外界についての情報を運んでくる。

他方、心臓の鼓動、肺が広がる動き、胃が鳴る音など、普段まったく意識していない体内の出来事に反応する受容器もある。これらは伝統的に、もうひとつの感覚「内受容性感覚」としてまとめられている。

さらに、実際には、見たり、聞いたり、嗅いだり、味わったり、触れたりするすべての経験は、身体の受容器からのデータだけでなく、脳による構築によって生み出されているという。

人間の、あるいは他の種の環世界もそうかもしれないが、脳の作用の性質が感覚器の情報以上に重要であるようなのだ。

この『BBC Science Focus』の記事の著者、リサ・フェルドマン・バレット博士はこう述べている。

「脳は、過去の経験、身体の状態、現在の状況に基づいて、『これから何が見えるか』を先に予測します。

そして、その予測と実際の網膜からの感覚データを組み合わせて、あなたが目にする視覚体験を構築するのです。

同様に、手首に指を当てて脈を感じるとき、実際に感じているのは、脳の予測と感覚データが合成されたものです。

あなたは感覚器官で感覚しているのではありません。

あなたは脳で感覚しているのです」。

2024年4月27日からずっと行っている、初期仏教の瞑想、特にヴィパッサナー瞑想は、この脳の機能を正しく調整するうえで、非常に有効な技法だと思える。

脳は、絶えず、暴走し、妄想(特に被害妄想)するので、感覚情報にできるだけ忠実に脳を調整することは、環機能を有効に機能させ、その環世界を澄んだ明晰なものにする。

それは、人間から怒りを遠ざけ、冷静さや平安に、確かに近づけると思う。



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