往還日誌(379)

 






■1月18日、日曜日、快晴。

きのう、『社会操作の一般理論に向けて』(第4回)の原稿が遅くまでかかったので、今朝、風呂に入る。

今回は、社会操作の類型を拡大して、情報・知識操作、構造操作に加えて、新しく感情操作(affective manipulation)という概念を定式化した。さらに、その5つの位相を規定して、全体で、社会操作の3類型とした。

これで、次回以降に展開する靖国神社の構造操作分析にとって、感情生成と社会的空間の関係への分析視角を確保できた、と思っている。

夕方、感情操作論を英訳してMediumへ投稿する。

Mediumは、2000字~3000字を越えると読まれないので、何回かに分けることに。

今回は、全4回のうちの第1回。

午前中、ヘーゲル読書会。ヘーゲルのテクストは、常に、刺激的で思考を促す。

石塚先生が、ヘーゲルなら、『精神現象学』と『論理学』の2つ、と言っていた教えのとおり、今後、『論理学』の検討もやってみたい。

洗濯、買い物、そうじなど。


1月13日付の『WSWS』が、マブダニNY市長を痛烈に批判している。

12日の朝、ニューヨーク市内の4つの病院で、1万5千人の看護師がストライキに突入した。これはニューヨーク市史上最大の医療ストライキだという。アメリカのトロツキスト系のメディア、『WSWS』が、この背景をこう説明している。

「看護師たちは、アメリカ全土の病院に共通する条件と闘っている。すなわち、危険な人員不足、極端な過重労働、不十分な賃金である。

世界金融システムの中心で行われているこのストライキは、支配階級および政治体制全体と看護師たちを直接対峙させるものである」。

さらに、こう続く。

このストライキはニューヨークの労働者の間で圧倒的な支持を得ている。過酷で不可能に近い医療現場の実態をリアルに描いたテレビ医療ドラマ『The Pitt』の人気は、パンデミックの間に多くの命を落とした医療従事者、とりわけ看護師たちに対して、広範な共感が寄せられていることを示している。

ストライキに参加している病院の一つ、マウント・サイナイ・ウエストでは、2020年、個人防護具の不足のため、看護師たちがゴミ袋を着用せざるを得なかった。

COVID対策の解体と、パンデミック終息という虚偽の宣言は、より広範な公衆衛生への攻撃へと拡大している。COVIDの発生以降、燃え尽き(バーンアウト)を主な理由として、数十万人の看護師が職を去った。

病床稼働率は危険な水準まで上昇しているが、その原因は病床数が16%も削減されたことに他ならない。700床以上を有していたマウント・サイナイ・ベス・イスラエル病院は、経営側が財政的損失を理由に、昨年閉鎖された。

この過程は、ワクチン接種や基礎的な保健科学を攻撃するトランプの下で、さらに加速している。

ニューヨーク市における連邦メディケイド予算80億ドルの削減は、ある推計によれば、3万4千人の病院雇用の喪失と、150万人分の医療保険の打ち切りにつながるとされている。市は、拡大するインフルエンザ流行との闘いを強いられている最中である。

同じプロセスは、教育、住宅、社会保障を含む、あらゆる産業と生活のあらゆる側面において反復されている。

労働者階級は、産業的奴隷制と独裁を受け入れることができないがゆえに、闘争へと押し出されるだろう。これらの闘争は、労働者を代表していると偽って主張する者たちの階級的性格とその機能を、ますます明らかにしていく。

ニューヨーク市の新市長で、民主社会主義者(DSA)の一員であるゾーラン・マムダニは、不平等に憤る市民によって選出された。12日の月曜朝、ピケラインでの写真撮影の場で、マムダニは数百万ドルの報酬を得る病院経営者を激しく非難した。しかし、労働者階級がウォール街の特権に対して攻勢をかけないかぎり、医療を守ることは不可能である。

それにもかかわらず、マムダニは『すべてのニューヨーカーのための市長』になると公約している。これは、労働者と企業寡頭制の双方のため、という意味にほかならない。その結果は、新たな罠と新たな労働者への攻撃以外にありえない。

マムダニはこの数か月、金融業界の幹部に取り入ろうとし、さらにはホワイトハウスに赴いて、ファシストであるトランプ大統領との『パートナーシップ』を誓うという卑屈な巡礼まで行ってきた。

平易な言葉で言えば、トランプと『協力する』とは、労働者階級に対する苛烈な攻撃に加担することを意味する。鉄道労働者や港湾労働者の全国的な大規模ストライキを阻止する上で重要な役割を果たした、バイデン政権下の労働省元トップであるジュリー・スーをマムダニが政権に起用したことは、明確な警告である。

マムダニの選挙戦の中心的な目的の一つは、大衆的な反対運動を民主党の下に従属させることだった。民主党は、ウォール街、情報機関、軍の党である。トランプが民主的権利と労働者階級に対する正面攻撃を開始するなかで、民主党は抵抗の党としてではなく、共犯の党として機能してきた。ニューヨークでは、民主党のキャシー・ホークル州知事が看護師ストライキに対応して『非常事態』を宣言し、国家による直接介入への地ならしを行っている。

マムダニは、ニューヨーク州看護師協会(NYSNA)の官僚たちと並んでピケラインに姿を現したが、彼らはストライキを阻止するためにできる限りのことを行い、現在はそれを終息させようとしている。2023年と同様に、NYSNAはすでに多くの病院で、最終合意に至らないままストライキ行動を解除し、闘争を孤立させ、裏取引による交渉で看護師たちを疲弊させようとしている。

労組官僚制は、深刻な危機に陥った支配階級を支える重要な支柱として機能している。先週、ミネアポリスの教員組合は、レニー・ニコール・グッドが銃撃された翌日に、大規模学区でのストライキを中止した。

これは、闘争が警察独裁に対する政治的な闘いへと発展するのを防ぐためだった。UAW(全米自動車労働組合)のショーン・フェイン委員長やチームスターンズ(※)のショーン・オブライエン委員長といった人物は、雇用防衛を名目にトランプの『アメリカ・ファースト』ナショナリズムを支持しているが、その一方で彼ら自身が、何万人もの労働者を解雇することに経営側と協力しているのである」。

※国際チームスターズ同盟のこと。アメリカ最大級の労働組合、組合員は米国とカナダに約130万人。

この記事は、当たっている面もあり、知られていない重要な事実もあるが、イデオロギーで現実を上から裁断している面が強く、勇ましいのは勇ましいのだが、是々非々で見ないと、一種の宗教性を帯びているため、その世界観に取り込まれ、現実を見失う。

たとえば、「マムダニの選挙戦の中心的な目的の一つは、大衆的な反対運動を民主党の下に従属させることだった」というのは、決めつけだろう。現時点で、こうはまだ言えない。

これまでのマムダニ市長の関係者の議論からは、このような話ではなく、DSAによる民主党の内部改革をめざしたものと思える。

「民主党は、ウォール街、情報機関、軍の党である。トランプが民主的権利と労働者階級に対する正面攻撃を開始するなかで、民主党は抵抗の党としてではなく、共犯の党として機能してきた」。

これは、言えている。これまで、いろいろ、米国について、調べてきた経験と合致する。

「労組官僚制は、深刻な危機に陥った支配階級を支える重要な支柱として機能している」。

これも、日本の「連合」に明らかなように、そのとおりだと思える。

「マムダニは『すべてのニューヨーカーのための市長』になると公約している。これは、労働者と企業寡頭制の双方のため、という意味にほかならない」。

これは、そういう文脈ではなく、これまでの富裕層や白人エリート、大企業のための政治に対して、アンチテーゼとして述べたものだろう。

「労働者階級がウォール街の特権に対して攻勢をかけないかぎり、医療を守ることは不可能である」。

これは、そうかもしれない。病院は、資本と労働の対立の場となっており、そのはざまで、命がゆれている。患者の命も、医療従事者の命も。

「マムダニはこの数か月、金融業界の幹部に取り入ろうとし、さらにはホワイトハウスに赴いて、ファシストであるトランプ大統領との『パートナーシップ』を誓うという卑屈な巡礼まで行ってきた」。

これは、まだ、わからない。「取り入る」や「卑屈な巡礼」という表現は、力関係が、マブダニ市長の方が弱者という見方を意味するが、この力関係は逆転する可能性もある。そして、統治には、リアリズムの要素を考慮せざるを得ない面があるので、このリアリズムと理念との弁証法をどう見るか、という評価軸になるのではないか。


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