往還日誌(383)

 






■2月2日、月曜日、快晴のち曇り。

靴がだいぶ傷んだので、ABCマートで調達。

故石塚省二先生は、靴と椅子に金は惜しむな、と生前よく言っていたものだが、この10年くらい、革靴は履いていない。

歩きやすいスニーカーの類ばかりで、購入したのは、スケッチャーズである。スーツもシャツも、この10年くらい着ていない。ネクタイの締め方も忘れてしまったような気がする。

そう言えば、詩人の故清水哲男さんは、どこに行くにも、ジージャンとジーンズだった。弟の清水昶さんも、ジーンズばかりだった。

先日、書店で、立ち読みしていたら、谷川俊太郎さんも、ジーンズとTシャツかセーターだったらしい。

もう少し、年代が下ると、ジーンズではなく、アディダスの3本線のジャージなどになってくるのではなかろうか。真冬はそれでは寒いが、夏なら申し分ない。

清水哲男さんの場合、外出時に、ショルダーバックもなにも持たないので、それが旅先であっても、同じで、旅行者によく道を聞かれると語っていた。

私は、あまり道を聞かれることはないが──今は、グーグルマップがあるので──それでも、あるとき、東京の山の手出身と思われる老婦人に、京都で道を聞かれた。

バッグは、持っていなかった。それ以上に、素足にサンダルだったからである。

ひとは、身なりや持ち物で、その地域の住人かどうかを判断するのである。そして、それは、意外に正確である。

もちろん、例外はある。石塚先生の助手だったT氏は、学会でミラノまで先生に同行したとき、素足にサンダルだった。それでも、彼は、地元民ではなく、そういうひとと了解されていたのである。


午後、Kさんのところにメガネの調整に行く。

政治家は、平気でうそをつけないと、政治家にはなれない。Kさんの言葉である。

12月17日に、解散は考えていないといったそばから解散し、統一教会とは無関係と言ったそばから、動かぬエビデンスがいくつも出てきて、言い逃れができないと悟ると、名誉棄損だと逆上したあげくに、討論会から身逃れをするという政治家の鏡のようなお方もいる。

票さえもらえれば、嘘をつこうがなにしようが、あとはこっちのものということなんだろう。

民意を反映させる方法として、小選挙区比例代表制は、当初から、問題視されてきたが──小選挙区では相対多数で当選するため、 少数差でも「勝者総取り」となってしまう。

また、一定の支持を持つ少数政党の票は切り捨てられやすい。さらに、小選挙区制と比例代表制は、並立構造なので、小選挙区で得た「過剰議席」が比例で調整されない。

民意は、二重に歪められる。

また、我々が、民主主義制度で自明としている「多数決」に代替する、より民意を反映する、状況に応じてルールを選ぶという発想も議論されている。


エプスタイン・ファイルは、アメリカ支配層の腐敗を、見事にあぶりだしている。以下は、2月2日付の『WSWS』の記事である。タイトルは、「エプスタイン・ファイルが暴くアメリカ・オリガーキーの犯罪性」。注目されるのは、イーロン・マスクへの言及が、1000回を超える。これは、これまで、注目されていなかったが、異様なことである。

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金曜日、米司法省は、金融業者であり性的人身売買業者でもあったジェフリー・エプスタインに関する300万点を超える文書を公開した。これには、2,000本以上の動画と18万枚の画像が含まれている。

これらの文書は、児童を性的に虐待するための売春ネットワークを運営していたエプスタインと、トランプ、英国王の弟(当時)、現世界一の富豪イーロン・マスク、そして元世界一の富豪ビル・ゲイツとの関係を示している。

文書に名前が挙がっている人物には、以下のような者たちが含まれる。


元アンドルー王子(「公爵」として言及されている)は、エプスタインと一緒に写った写真があり、両者の接触を新たに照らし出す電子メールにも登場する。


英国の億万長者リチャード・ブランソンは、画像や連絡先資料に登場する。
元財務長官でハーバード大学学長を務めたローレンス・サマーズは、会合や夕食に関する予定表や書簡に記載されている。


元イスラエル首相エフード・バラクは、2008年の有罪判決後もエプスタインのニューヨークの邸宅に滞在していたと記述されている。


また、ニューヨーク・ジャイアンツの共同オーナーである億万長者スティーブ・ティッシュも、エプスタインが彼のために女性を手配したと書いた電子メールの中に登場する。

そのほか、元大統領ビル・クリントン、トランプの元顧問スティーブ・バノン、さらにエプスタインの連絡帳、フライトログ、内部通信に名前を連ねる多くの億万長者、金融業者、著名人、公職者が含まれている。名前を挙げられた人物の中には、不正行為を否定し、接触は偶発的なものにすぎないと主張する者もいるが、これらの資料は、エプスタインの犯罪的事業の周囲に集っていた、緊密につながり合う世界的エリート層の不気味な実像を描き出している。

エプスタインは億万長者の金融業者であり、数十年にわたり国際的な性的人身売買組織を運営し、自身や裕福で権力を持つ仲間たちのために未成年の少女を調達していた。2008年、フロリダ州で未成年者に対する売春斡旋の罪で有罪判決を受けた後、エプスタインは異例とも言える甘い司法取引を受けた。この取引を主導したのは、後にトランプ政権で労働長官を務めたアレックス・アコスタである。

この取引により、検察が30人の被害者を特定していたにもかかわらず、エプスタインは外出許可付きで郡刑務所にわずか15か月服役するだけで済んだ。2019年のデイリー・ビーストの報道によれば、アコスタはトランプ政権移行チームの関係者に対し、自分がこの取引を結んだのは「手を引くように、エプスタインは自分の権限を超えた存在だと言われたからだ」と語ったという。アコスタはさらに、「エプスタインは『諜報機関に属している』と言われ、関わるなと命じられた」と述べたと報じられている。

エプスタインは2019年7月、連邦の性的人身売買容疑で再び逮捕された。そして同年8月10日、マンハッタンのメトロポリタン矯正センターの独房で死亡しているのが発見された。政府とメディアは、十分な調査を行うことなく、即座に自殺と断定した。

豊富な証拠が存在するにもかかわらず、主要な政治家や実業家を含むエプスタインの「顧客」の中で、起訴された者は一人もおらず、有罪判決を受けた者もいない。

トランプの2024年大統領選キャンペーンにおける最大の単独献金者であるイーロン・マスクは、今回公開された資料全体に繰り返し登場しており、その名前は1000回以上言及されている。2012年11月、エプスタインが未成年者に対する斡旋罪を認めてから4年後、マスクはエプスタインに対し、「あなたの島で、どの日/夜がいちばんワイルドなパーティになる?」と電子メールを送っていた。

2013年12月、マスクは再びエプスタイン訪問を求め、「休暇中にBVI(英領ヴァージン諸島)/セント・バーツ周辺に滞在する予定だ。訪問するのに良い時期はあるか?」と書いた。これに対し、エプスタインは「ヘリを送るよ」と返信している。その後、エプスタイン、マスク、そしてエプスタインの助手レスリー・グロフとの間で交わされたメールからは、2014年1月初旬に島へ渡るための調整が継続して行われていたことが分かる。

これらのメールは、マスクが2019年に『ヴァニティ・フェア』誌に対し、「エプスタインの島への度重なる招待を断り、一度も訪れたことはない」と主張していた内容と矛盾している。週末、マスクはこれらのメールに関する報道を「偽物」だと非難し、文書そのものについても「目くらましだ」と切り捨てた。

ビル・ゲイツもまた、資料の中で重要な位置を占めている。2013年の電子メールでは、エプスタインがゲイツを脅迫していたように見えるやり取りがある。そこでは、ゲイツの性感染症に関する電子メールの削除要求、メリンダ・ゲイツに密かに与えるための抗生物質の要請、そして露骨な性的内容への言及がなされている。エプスタインは、ゲイツが自分に数百万ドルを提供し、住宅を購入するよう示唆していた。メリンダ・ゲイツは後に、公の場で、自身の離婚の理由は夫とエプスタインとの関係にあると述べ、エプスタインを「邪悪な存在」と表現した。

公開資料の中には、ニューヨーク・ジャイアンツの共同オーナーである億万長者スティーブ・ティッシュが、性行為のための女性を手配するようエプスタインに助けを求めていたことを示す電子メールも含まれている。これは、エプスタインが2008年に有罪判決を受けた後、何年も経ってからのものだ。これらのやり取りは、エプスタインが、エリート層の顧客が事情を知った上で、なお人身売買に積極的に関与し続けていたことを明らかにしている。ティッシュは、ニューヨーク市警本部長ジェシカ・ティッシュのいとこであり、同本部長はニューヨーク市長ゾーラン・マムダニによって再任されている。

これらの文書は、エプスタインのネットワークが国際的な規模を持っていたことを強調している。新たに公開された写真には、元アンドルー王子ことアンドルー・マウントバッテン=ウィンザーが、顔を黒塗りされた若い女性の上に位置している様子が写っている。英国では、「ニュー・レイバー」の中枢的な設計者であったピーター・マンデルソンが、エプスタインから2万5,000ドルの支払いを3回受け取っていたことが明らかになり、党の役職を辞任した。

ハワード・ラトニック商務長官もまた、エプスタインとの関係から距離を取ろうとし、2005年にエプスタインの自宅で「マッサージ台」を目にして以降、関係を断ったと主張している。しかし電子メールの記録によれば、ラトニックは有罪判決後も、少なくとも2012年までエプスタインと連絡を取り続けていた。2012年12月のあるメールでは、ラトニックが7歳から16歳までの子どもを含む家族とともに旅行しながら、カリブ海での夕食の予定をエプスタインと調整していたことが示されている。

政府、銀行、大企業を動かすこれらの権力者たちは、「エプスタインが何者であるか知らなかった」と口をそろえて主張している。だが、そんな話があるだろうか。誰もが知っていたのだ。彼の接触関係の規模、そのネットワークの異常な広がり自体が、支配階級そのものの性格を物語っている。

文書は公開されているが、そのあらゆる要素は欺瞞に覆われている。何が公開され、何が黒塗りされているのか、そのすべてがそうだ。金曜夕方に発表された声明で、エプスタインの被害者20人が署名し、次のように訴えた。「今回のジェフリー・エプスタイン関連文書の公開は、透明性だとして売り込まれていますが、実際に起きているのは、被害者をさらし者にしているだけです。再び、生存者の名前や個人を特定できる情報が暴かれる一方で、私たちを虐待した男たちは隠され、守られたままです」。

より根本的な政治的問題は、いまだ何一つ解明されていない。そして、それが支配階級の手に委ねられている限り、今後も解明されることはないだろう。エプスタインは独立した個人事業者ではなかった。彼は誰の利益に奉仕していたのか。CIAなのか、モサドなのか、それとも別の諜報機関なのか。アコスタが述べた「エプスタインは諜報機関に属していた」という主張は、これまで一度も真剣に調査されたことがない。

関与した個々の人物を超えて、エプスタイン事件は、ある社会階級の本質を暴き出している。アメリカのオリガーキーは、寄生、投機、詐欺を通じて富を蓄積してきた。その社会的存在、その取得様式において、それはアメリカ政治の頂点に立つ犯罪的階級である。その財産は、金融操作、企業詐欺、戦争による利得、そして何十億もの人々の搾取の産物だ。

このオリガーキーは、自らを法の上にある存在だと感じている。トランプはこの階級の体現者である。露骨に犯罪的で、民主的規範を軽蔑し、ファシズム的暴力を公然と扇動し、戦争を画策する人物だ。彼の政権は、憲法を無価値な紙切れとみなし、国際法を無意味なものとして扱っている。副大統領J・D・ヴァンスの言葉を借りれば、「絶対的免責」のもとで、市民であろうと非市民であろうと人を殺す権利を主張しているのである。

アメリカの支配階級は、政治的、社会的、法的、道徳的な退廃の泥沼に深く沈んでいる。エプスタイン事件は、その姿を映し出す鏡にほかならない。

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これに匹敵する日本社会の支配層の道徳的・法的・政治的・社会的・経済的な腐敗をあぶりだしているのが、統一教会の内部文書『TM特別報告』だろう。

『TM特別報告』の全訳が待たれる。


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