往還日誌(368)
朝、『社会操作の一般理論に向けて』を執筆。「はじめに」だけで、5000字になってしまい、本論が十分に展開できない可能性が出てきた。いずれにしても、今回だけで、全部、展開できるものではないことだけは確かである。
その後、年越し蕎麦の蕎麦を買いに行く。岩手の八割蕎麦とした。
午前中、妻に頼まれた、掃除等の年用意は全て終わったので、午后、新都心と大宮へ買い物へ。
毎年、年酒は日本酒なんだが、今年は、その後が料理に使えて、無駄にならないという理由で、白ワインのシャルドネを調達。
10年前から、私は、酒は全く飲まないが、正月の元旦だけは例外となってゐる。
ダーク・パープルとベージュのセーター2枚をユニクロで新調。
大宮へ戻り、娘に頼まれたRF1で予約の品を受け取り、実家へ送るお菓子を選定。
添加物ばかりなので、地元のお菓子を送ることに。
夕方、帰宅して、少し休んで、年越し蕎麦に載せる野菜と海鮮の天ぷらを揚げる。
私に得意料理というものはないが、天ぷらは、例外的に得意な料理かもしれない。
家族は喜ぶ。
街は、それほど混んでゐなかった。ただ、食べ物店やカフェは、どこも満員で並んでゐた。
新都心駅ナカのBECKSは穴場で、少しぼーとする。BECKSもオーダーは、完全自動化になってゐる。
★
大晦日の押し迫った時点で、日本外務省が、中国に係る、報道官談話を発表した。
「今般、中国軍が台湾周辺で実施した軍事演習は、台湾海峡において緊張を高める行為であり、我が国の懸念を中国側に伝達しました。
台湾をめぐる問題が、対話により平和的に解決されることを期待するというのが、政府の従来から一貫した立場です。
台湾海峡の平和と安定は国際社会全体にとって重要です。引き続き、関連の動向を強い関心をもって注視してまいります」。
日中の政治・軍事対立は、高市総理の「存立危機事態」以来、エスカレーションを辿ってゐるが、日中の経済的な結びつきは、そうではない。
中国税関総署が20日公表した11月の貿易データによると、レアアース(希土類)磁石の日本への輸出量は前月比34.7%増の304トンだった。
このレアアースは、採掘および加工が中国に集中しているだけでなく、レアアース精錬産業の95%が中国に集中している。
中国は、2020年に希土類酸化物(REO)換算で、14万トンを生産し(世界全体の58%)、世界最大の希土類元素(REE)生産国である。また、バヤン・オボ(Bayan Obo)は中国最大の希土類鉱床となっている。
ほとんど報道されないが、このレアアース産業には、深刻な環境問題と健康問題がある。
中国最大のレアアースの鉱床、バヤン・オボは、モンゴル自治区にある。
2021年8月12日付の『ハーヴァード・インターナショナル・レビュー』は、こう報じている。
「中国で最も悪名高い鉱山は、世界最大の希土類元素鉱山であるバヤン・オボ鉱山である。しかし、それ以上に悪名高いのが、その鉱山が生み出した尾鉱池(鉱山で鉱石から有用成分を取り出した後に残る泥状の廃棄物(尾鉱)を、長期間ためておく人工の貯留施設)である。
そこには7万トン以上の放射性トリウムが貯蔵されている。近年、この尾鉱池には十分な遮水ライニングが施されておらず、内容物が地下水に浸透し、最終的には主要な飲料水源である黄河に達する恐れがある。
ほとんど報道されないが、このレアアース産業には、深刻な環境問題と健康問題がある。
中国最大のレアアースの鉱床、バヤン・オボは、モンゴル自治区にある。
2021年8月12日付の『ハーヴァード・インターナショナル・レビュー』は、こう報じている。
「中国で最も悪名高い鉱山は、世界最大の希土類元素鉱山であるバヤン・オボ鉱山である。しかし、それ以上に悪名高いのが、その鉱山が生み出した尾鉱池(鉱山で鉱石から有用成分を取り出した後に残る泥状の廃棄物(尾鉱)を、長期間ためておく人工の貯留施設)である。
そこには7万トン以上の放射性トリウムが貯蔵されている。近年、この尾鉱池には十分な遮水ライニングが施されておらず、内容物が地下水に浸透し、最終的には主要な飲料水源である黄河に達する恐れがある。
現在、この汚泥は年間20~30メートルという危険な速度で移動してゐる。
中国各地には、同様に危険な鉱山の例が数多く存在する。江西省南部の嶺背鎮では、浸出池や廃水池が屋外にさらされたまま放置されており、地下水や河川に有毒化学物質が流出する可能性が高い。
別の鉱山では、あまりにも大量の廃水が発生したため、中国政府は1日4万トンの廃水を処理する施設を建設しなければならなかった。
労働者もまた、有毒化学物質への曝露によって健康被害を受けてゐる。
中国各地には、同様に危険な鉱山の例が数多く存在する。江西省南部の嶺背鎮では、浸出池や廃水池が屋外にさらされたまま放置されており、地下水や河川に有毒化学物質が流出する可能性が高い。
別の鉱山では、あまりにも大量の廃水が発生したため、中国政府は1日4万トンの廃水を処理する施設を建設しなければならなかった。
労働者もまた、有毒化学物質への曝露によって健康被害を受けてゐる。
これらの鉱山では労働安全が重視も監視もされておらず、皮膚炎や呼吸器系・神経系・循環器系の障害が報告されている。過酷な労働条件と低賃金により、人権侵害も各地で報告されてゐる。
中国政府は希土類元素採掘に伴う問題に対処するため、一定の措置を講じてはゐるが、十分とは言えない。中国自身、違法採掘による被害額を55億ドルと見積もっており、その浄化が必要だと認めてゐる。
中国政府は希土類元素採掘に伴う問題に対処するため、一定の措置を講じてはゐるが、十分とは言えない。中国自身、違法採掘による被害額を55億ドルと見積もっており、その浄化が必要だと認めてゐる。
また、採掘由来の汚染によってがん患者が異常に多い、いわゆる『がん村』の存在も政府は認めてゐる」。
要するに、モンゴル自治区の少数民族の健康被害と自然破壊の上に、中国のレアアース産業は成り立っており、その犠牲の上に、日本を始めとした西側各国のスマホやPCなどのハイテク産業、電気自動車産業、軍事産業などが成立しているという構造になってゐる、ということなのである。
要するに、モンゴル自治区の少数民族の健康被害と自然破壊の上に、中国のレアアース産業は成り立っており、その犠牲の上に、日本を始めとした西側各国のスマホやPCなどのハイテク産業、電気自動車産業、軍事産業などが成立しているという構造になってゐる、ということなのである。
経済的な結びつきの強さは、戦争回避の大きな理由になるが、その結びつきは、文明の基盤となる自然そのものを破壊するケースもある。
希土類鉱石には、しばしば放射性のトリウムやウランが含まれており、採掘や精錬のプロセスで、労働者と周辺住民に、深刻な健康被害をもたらす。しかも、それは、希土類元素1トンあたりの生産で約2000トンもの有毒廃棄物が生み出されるという「高効率」なのである。