往還日誌（327）

 

■9月9日、重陽。雲の多い晴れ。

午前中、中央図書館まで行くが、火曜は休館だった。

ここから、往復で徒歩30分くらい。

いい運動にはなるが、今の暑さだと、帰ってから汗だくになるので、シャワーを浴びないと、仕事にならない。

相変わらず、外が猛暑なので、妻に勧められたエクササイズ用のステップ台を取り寄せて、室内でも運動してみることに。弓の先生にも、腕立て伏せを勧められているのだが、このステップ台は、腕立て伏せにも活用できるようである。

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石破さんが辞意表明をして、SNSでは、喜んでいる向きもあるが、自民党の中では、「まだまし」の石破さんの退場が、どういう効果をもたらすのか、未知数である。

新総裁候補の進次郎議員は、CSISのジャパン・ハンドラーの代理人に過ぎず、高市早苗議員は、参政党や保守党などとの極右閣外協力で、党内外の基盤を安定化させて、安倍政権の再現を狙うであろうことが見えている。

どっちに転んでも昏いだろう。

石破さんは、日本国の主権を意識していた。本来、右翼のみなさんが第一に意識すべきことだと思うが、日本国の右翼は、日本人ファーストの参政党も含めて、皆、判で押したように、アメリカ・ファーストの親米・親イスラエルである。

野党でも、というか、野党だからなおさら、ほとんどが主権をテーマ化できない。立憲民主党などは、ひどいものである。進次郎と大差ない。

進次郎総裁なら、大連立で野田さんが総理になっても、ぜんぜん、おかしくない。今の立憲民主党なら、鳩山政権のときのように、日米合同委員会の意を汲んだ親米官僚達が潰しにかかることはないはずである。

日本の「リベラル」のみなさんも、国家利権村のオールド・メディアのみなさんも、喜ぶんじゃないだろうか。

その意味では、「リベラル」対「極右」の後継争いになるのか？　

で、実は、この2つの勢力は、舞台裏で、親米・親イスラエルで握手しあっているという構図である。

なかなか、よくできた茶番だと思うがどうだろうか。

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『あの日　風しもの町で起きたこと』を読んだ。

これは、2011年3月11日以降に起きた、福島第一原発のシビアアクシデントで、三春町が町の主体的な判断で「安定ヨウ素剤」を配布した事実を伝えるパンフレットである。

発行は、「風しもの村　風しもの町」実行委員会。

FBで情報が流れてきたので、連絡して取り寄せて読んでみた。

このパンフレットは、平易な言葉で三春町が、副町長と全課長による会議を開いて、統一的な意思決定を行い、町長が「安定ヨウ素剤」の配布を決断したことが書かれている。

「安定ヨウ素剤」（副作用はほとんどない）は、原発事故の際に放射性ヨウ素から、甲状腺を守ることのできる唯一の方法である。

ただし、「安定ヨウ素剤」の服用には、タイミングがある。

放射性ヨウ素の取り込み24時間前から、取り込み後2時間後までに飲めば、90％以上の抑制効果があるが、それより遅くなると、抑制効果はなくなっていく。

三春町は、プルーム（放射能雲）がどのタイミングでやってくるのか、吹き流しを設置して正確に知ることができ、ベスト・タイミングで服用できた、という。

このパンフレットは、国と県の不作為も記述してある。

第一に、政府は放射性ヨウ素の被害を予防するため、「安定ヨウ素剤」の服用を指示することになっていたが、備蓄があったにも関わらず、服用の指示を出さなかった。三春町、双葉町、富岡町が独自で服用指示を出したが、福島県全体で1万人程度しか服用しなかった。

この点の理由の徹底解明が必要だろう。

事故後の県民健康調査甲状腺調査では、2024年9月30日現在、350人が、甲状腺がんとその疑いという結果が出ている。事故前は、100万人に1人か2人の割合だった。

第二に、文部科学省が、これまで5回出した「放射線副読本」には、「安定ヨウ素剤」配布の事実は、記載がない。SPEEDIやオフサイトセンター、原子力緊急事態宣言、震災関連死なども被害の深刻さを表す情報も記載されていない。

第三に、福島県の教育委員会が作成した、「放射線等に関する指導資料」や「放射線教育・防災教育実践事例集」などにも、三春町の「安定ヨウ素剤」配布の事例が記載されていない。

これは、国家と県による、情報操作の典型事例と言える。

この情報操作は、国家の不作為を隠蔽するため、という目的があるように思える。

「安定ヨウ素剤」の服用は、あくまで、甲状腺に蓄積される放射性ヨウ素による甲状腺の被ばくを抑制するのが目的で、他の臓器の被ばくは防げない。

それでも、甲状腺は、ホルモンを分泌する重要な臓器であり、放射性ヨウ素の影響を最も受ける、胎児、乳児、幼児、未成年、妊婦、授乳婦には、「安定ヨウ素剤」の服用は、非常に重要になる。

三春町住民の証言の中に、こういうのがあった。

「4歳の子に飲ませるのが不安で、まず自分が飲んでみた。味もなにもしなかった。子供には結局怖くて飲ませられなかった」。

この4歳の子は、甲状腺に被爆してしまった可能性が高い。

つまり、「安定ヨウ素剤」の配布は、「安定ヨウ素剤」の服用に関する知識と一体で渡さないと効果がない、ということだろう。