往還日誌(322)
■8月20日、水曜日、晴れ。
19日に気象庁が発表した向こう三ヶ月の予報では、11月まで高温が続く。1年の半分が夏になった。もう半分で、冬と春を分けあっている。
若宮へ戻るとき、『異常気象の未来予測』を読みながら帰って来た。
この本のデータを見ると、2010年以降、「冷夏」というものが消滅している。
この15年、特に、異常気象が加速していることがわかる。
この猛暑の原因は、偏西風の蛇行が、激しくなり、そこに、太平洋高気圧が留まることで起きている。
偏西風は、流れが速いと蛇行せず、まっすぐに進み、流れが遅いと、蛇行が激しくなる。
偏西風の流れの速さと遅さは、南北の温度差に規定される。
南北の温度差が大きければ偏西風は速くなり、温度差が小さければ遅くなる。
要するに、北極圏の温度と赤道付近の温度の差が、地球温暖化の影響で小さくなったために、偏西風の蛇行の速度が遅くなっているのだ。
南北の温度差は、今後、加速的に小さくなると予想される。
というのは、地球上でもっとも温度上昇が大きい地域が北極圏だからである。
北極圏の雪と氷は、白いので、これまで太陽光を反射してきたが、これが、地球温暖化で溶け始めると、太陽光を反射できなくなり、他の地域よりも温暖化が加速しやすくなる。
北極圏は、海洋と永久凍土からなるが、永久凍土が溶けると、そこに封じ込められていたメタンガスが大気に放出される。
メタンガスは、二酸化炭素よりも圧倒的に温室効果が高く、これが放出されると、地球温暖化は、その加速度が一気に高まり、手の打ちようがないのではないか。
地球温暖化で北極圏の開発がしやすくなった、などと、中国に次ぐ世界第2位の温室効果ガスの排出国であるアメリカのトランプ政権は言っているが、トランプ氏は79歳で前頭側頭型認知症も出ていて、もう先はないが、今後の世代は、灼熱地獄になる。
それは、食料問題・医療問題と直結し、働き方と直結し、格差の問題とも直結する。
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きょうも、終日、仕事。
あすから、日曜日まで、お盆休みとなったので、締め切りが過ぎているルカーチと、ニコの新著の仕事に専念の予定。