往還日誌(309)
photo by romie lie
■6月18日、水曜日、晴れ、猛暑日2日目。
サイゼリアは、テーブルが広いので、読書をするには向いている。
平日であれば、お客さんが鳴らずピンポーンというコールも少ないので、集中できる。
ここのティラミスとプリンのセットが気に入って、若宮へ戻って以来3回も利用した。
ここで、オイゲン・ヘリゲルの『日本の弓術』を読了した。
ヘリゲルは、バリバリのナチスで、ニーチェ思想などを交えながら、実証主義哲学を批判しナチズムを称揚した論文「国家社会主義と哲学」や日本の特攻隊を思わせる玉砕の美学を論じた論文「サムライのエトス」などを書き、ナチス政権下で、エアランゲン大学学長を務めた。
このことは、日本では、ほとんど知られていない。
ヘリゲルは、美しい日本文化、特に禅と弓道の理解者、というのが一般的な日本人の受け止めだろう。
そういう面は確かにあり、『日本の弓術』は面白い本である。
ヘリゲルのナチス党員の面は、2006年くらいから、ようやく日本で知られるようになってきた。
ヘリゲルは、ハイデッガーほど哲学的にビッグではないので、それほど問題化しなかったが、ナチスへの協力では、ハイデッガーと変わらない。いや、それ以上かもしれない。
ただ、ヘリゲルは、第一次大戦で戦場に散った、ユダヤ人天才哲学者、エミール・ラスクの直弟子で、ラスクの著作集全3巻を編集している。
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ゲームに関心があり、5、6年前に、町のおもちゃ屋で購入した「algo」というゲームを若宮で始めた。
このゲームは、まだ始めたばかりで、よく感じがつかめないが、数字の大小に関する推論を要求されるもののようである。今は、ひとりで行っているが、複数でやると、また感じが違うのだろうと思う。
単純なので、すぐにゲームオーバーになってしまうが、少し、このゲームと付き合うつもりでいる。
京都でも、「コンピューター」というトランプ・ゲームをするために、トランプのゲーム本とトランプを持ち込んでいるが、まだ、一度も出来ていない。
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東京でも京都でも観ることのできなかった「モネ 睡蓮のとき」展が、9月中旬まで、豊田市美術館で開かれることがわかった。
なんとか、観たいものである。